
受取時点及び各試験時に採取される水分測定用の試料は、採取後直ちにその正味質量を測定し、内部温度が105〜110℃(石膏のみ45℃以下)に調節された乾燥器で乾燥する。乾燥中は、試料質量を一定時間毎に測定し、恒量となるまでこれを継続する。 水分値は、次式により算出する。 Mct = {( m1 - m2 ) / m1 } ( 100 但し、Mct:供試体の試験時水分値 (%) m1 :乾燥前の試料正味質量 (g) m2 :乾燥後の試料正味質量 (g) (F) 流動水分値(FMP)及び運送許容水分値(TML)の決定 試験の結果に基づいて、下記算式により流動水分値及び運送許容水分値を決定する。 FMP = ( Ma + Mb ) / 2 ( % ) 但し、Ma:液状化が発生した最低の水分値 Mb:液状化が発生しなかった最高の水分値 TML = FMP×0.9 3.2.4. 測定結果 各試料の到着時の水分、粒度構成、嵩密度及び運送許容水分値(TML)[流動水分値(FMP)]に関する測定結果は、表3.2.1(1)〜(3)及び表3.2.2(1)〜(3)に示す。また、測定により得られた流動水分値と10 % 粒径の関係を、図3.2.2及び図3.2.3に示す。 測定物質は15品目であるが、この中で粉コークス、石炭、蛍石、イルメナイト、高炉スラグは各2〜4試料を入手し、珪酸鉄、ニッケルスラグ、重晶石、高炉スラグ、蛍石は粒度構成を変え各2〜4種類の供試体を作製し、試料数は合計32試料となり、それぞれについて各測定を行なった。運送許容水分値の測定に関して、平成6年度対象物質の一部物質、鉄精鉱、レッドドロス、消石灰、珪酸鉄D及びニッケルスラグDの5試料は、測定時のタンピング圧を変え40kPaと62kPaとについてそれぞれ行ない、その他の物質は40kPa/62kPaの何れかにより行なった。また、平成7年度対象物質については40kPaと60kPaとについてそれぞれ行なった。 測定結果を基に結論的に言えることは、珪酸鉄、ニッケルスラグ、カッパースラグを除いた鉄精鉱、レッドドロス、石膏、消石灰、チタン鉄鉱、二酸化マンガン鉱石、重晶石(粉)等の粉末状の物質及び粉コークス、石炭、粉鉱石等は、何れも液状化現象が見受けられたが、その反面珪酸鉄、ニッケルスラグ、カッパースラグの流動水分値は、測定不能であった。但し、珪酸鉄、ニッケルスラグの何れとも粉砕試料(D)は例外で他の物質と同様に液状化現象が見受けられた。 測定物質のうち一部についてタンピング圧(40kPa/62kPa、60kPa)を変え測定した結果、鉄精鉱、レッドドロス、二酸化マンガン鉱石の様に若干粘性のある物質及び高炉スラグは、タンピング圧を大きくすることにより、運送許容水分値(TML)は高い値が得られている反面、他の物質に関しては変化がなかった。この結果からタンピング圧が異なった場合には、物質に因っては多少の違いが生じることもあるが、極端に大きな差異が生じることはないものと推測できる。 運送許容水分値の測定に関する特異点は、先ず、物質の性状及び粒度構成がどの様な
前ページ 目次へ 次ページ
|

|